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あなたの税金、どこへ行く?初めて知る国の予算の基本

Tags: 予算, 税金, 国会, 政治入門, 国の仕組み

はじめに:国の予算と私たちの暮らし

国の予算と聞くと、少し難しそう、自分には関係ないことのように感じるかもしれません。しかし、国の予算は私たちの暮らしと深く関わっています。皆さんが納める税金がどのように集められ、何に使われているのか。そして、それがどのように決められているのかを知ることは、政治や社会の仕組みを理解し、今後の政治参加を考える上でとても重要です。

この記事では、初めて政治に触れる方にも分かりやすいように、国の予算の基本的な仕組みについて解説します。

国の予算とは何ですか?

国の予算とは、国が1年間(4月1日から翌年3月31日まで)に、どのくらいの収入を見込み、その収入を何に、どのくらい使うかという計画のことです。いわば、国の「家計簿」のようなものです。

この予算は、日本の社会が抱える様々な課題(高齢化、少子化、災害対策など)に対応し、国民の皆さんの生活をより良くするために組まれます。道路や橋を作る、学校や病院を運営する、年金や医療費を支払う、国の安全を守るなど、国の様々な活動は、この予算に基づいて行われています。

予算の主な収入源は?

国の予算の収入源はいくつかありますが、最も大きな割合を占めるのが「税金」です。皆さんが普段の買い物などで支払う消費税、会社で働く人のお給料から天引きされる所得税、企業が納める法人税などがこれにあたります。

税金以外にも、収入源として「国債(こくさい)」というものがあります。これは、国が国民や金融機関などからお金を借りるために発行する借用書のようなものです。国債で得たお金も予算の収入として使われますが、借りたお金ですから、将来返済する必要があります。日本の国の借金が問題として報道される際、この国債残高の増加が論じられることがよくあります。

予算の主な使い道は?

国の予算の使い道は多岐にわたりますが、代表的なものをいくつかご紹介します。

これらの項目以外にも、警察や消防、外交、環境対策など、国の様々な活動にお金が使われています。

予算はどのように決められるのですか?

国の予算は、いくつかのステップを経て決められます。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 予算案の作成: まず、内閣(ないかく)(総理大臣と大臣たちで構成される、国の政治を行う中心となる組織)が、国の各省庁からの要望などを集めて、1年間の予算案を作成します。この段階で、国の政策課題を踏まえ、何にどれだけお金をかけるかという方向性が示されます。
  2. 国会での審議(しんぎ): 作成された予算案は、国会(こっかい)(国民の代表である国会議員が集まり、国の重要な物事を話し合って決める場所)に提出されます。国会では、衆議院(しゅうぎいん)と参議院(さんぎいん)の両方で、予算案の内容について詳しく話し合い(審議)、問題がないか、適切かなどをチェックします。国民の代表である国会議員が議論することで、予算の内容がチェックされ、より良いものになることが期待されます。
  3. 予算の成立: 衆議院と参議院の両方で予算案が承認されること(これを「議決(ぎけつ)」といいます)で、国の予算が正式に成立します。法律と同じように、予算も国会の議決が必要です。

このように、国の予算は内閣が案を作り、国民の代表である国会議員が集まる国会で話し合われ、承認されることで決まります。

なぜ予算を知ることが政治参加につながるのですか?

国の予算は、私たちの税金がどのように使われるかを示しています。年金や医療、教育、公共サービスなど、皆さんの暮らしに直接関わるお金の使い道が予算によって決められます。

予算を知ることは、

選挙で誰に投票するかを考えるとき、候補者や政党がどのような予算の使い方を提案しているのかを知ることは、彼らがどのような政策を実現したいのかを理解する上で非常に役立ちます。あなたの関心事(例:教育、環境、医療など)に、国の予算がどのように向き合っているのかを知ることで、政治がより身近に感じられるでしょう。

まとめ

この記事では、国の予算がどのようなもので、どこからお金が集まり、何に使われ、どのように決められるのか、その基本的な仕組みを解説しました。

国の予算は、決して遠い世界の出来事ではなく、私たちの税金が使われ、私たちの暮らしを形作る大切な計画です。予算の仕組みを知ることは、政治を理解するための第一歩となり、今後の皆さんの政治参加を考える上での重要なヒントになるはずです。

もし、さらに詳しく知りたい項目があれば、国の各省庁のウェブサイトや、国会図書館の資料などで情報を探してみることをお勧めします。皆さんの関心と学びが、社会をより良くするための力となります。