選挙権が18歳に変わったのはいつ?その経緯と意味を分かりやすく解説
初めて選挙権を得る多くの方が18歳を迎えることと思います。その一方で、「なぜ18歳から選挙に行けるのだろう」「以前は何歳だったのだろう」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、日本の選挙権年齢が18歳に引き下げられた経緯と、それが私たち有権者にとって持つ意味について、政治や選挙の知識がない方にも分かりやすいように解説します。
選挙権とは何ですか
まず「選挙権」について簡単に説明します。選挙権とは、国や地方公共団体の代表者を選ぶ選挙において、投票を行うことができる権利のことです。これは、日本国憲法によって保障された国民の権利の一つです。
私たちはこの選挙権を行使することで、自分たちの暮らしや社会のあり方を決める政治に、間接的に参加することができます。
かつて選挙権は「20歳から」でした
日本の選挙権年齢は、長い間「20歳以上」と定められていました。これは、民法で定められた成人の年齢が20歳だったことに由来しています。成年になると、親権から独立して契約を結ぶなど、様々な法律行為が一人でできるようになります。選挙権も、一人前の国民としての意思を表示する権利と考えられていたため、成年の年齢と同じ20歳とされていました。
選挙権年齢が18歳に引き下げられた経緯
選挙権年齢を18歳以上に引き下げるという動きは、世界的にはすでに主流となっていました。多くの先進国で、選挙権年齢は18歳とされています。
日本でも、グローバルな基準に合わせることや、少子高齢化が進む社会において若い世代の声を政治に反映させる必要性が高まったことなどが背景となり、選挙権年齢の引き下げが議論されるようになりました。
特に、2007年に国民投票法が成立した際に、国民投票の投票権年齢が18歳以上と定められたことが、選挙権年齢引き下げの大きなきっかけの一つとなりました。国民投票の年齢が18歳であるならば、国会議員を選ぶ選挙の年齢も合わせるべきだという考え方が強まりました。
こうした経緯を経て、2015年6月には公職選挙法が改正され、選挙権年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられることが決定しました。そして、2016年6月19日以降に公示される選挙から、実際に18歳、19歳の方々も投票できるようになりました。
この法改正により、新たに約240万人の18歳・19歳が有権者となりました。
18歳選挙権が持つ意味
選挙権年齢が18歳に引き下げられたことは、私たち若い世代にとって、そして社会全体にとって、いくつかの重要な意味を持っています。
- 若い世代の意見を政治に反映させる機会の増加: 18歳、19歳という、社会に出る直前あるいは直後の時期に選挙権を持つことで、学校生活や進路、働き方など、若い世代が直面する課題や関心が、より直接的に政治に届けられることが期待されます。
- 主権者教育の重要性の向上: 18歳で選挙権を持つということは、それまでに政治や社会について学び、自分自身の考えを持つことの重要性が増すことを意味します。学校などでの主権者教育(※国民が社会の構成員として主体的に政治に関わるための知識や態度を育む教育)の充実は、この改正と並行して進められています。
- 社会全体で若者の関心を高めるきっかけ: 選挙権年齢が引き下げられたことで、様々な政党や候補者が若い世代に関心を持つようになり、若い人向けの政策を打ち出したり、SNSなどを活用して情報発信をしたりする動きが見られるようになりました。これは、若い世代が政治に触れる機会が増えることにつながります。
18歳から政治に関心を持つこと
選挙権を18歳から持つことは、早くから社会の一員として、自分たちの未来について考え、行動するチャンスが与えられたということです。難しい専門用語や制度にとまどうこともあるかもしれませんが、まずは選挙や政治に関するニュースに少しずつ触れてみたり、関心のあるテーマについて調べてみたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。
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