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当選後の政治家って何してる?公約が実現するまでの流れを解説

Tags: 公約, 政治の仕組み, 政治家, 議会, 予算

選挙が終わると、当選した政治家たちはすぐに活動を開始します。選挙期間中に皆さんへ約束した「公約」を実現するために、具体的にどのようなステップを踏むのでしょうか。政治や選挙にまだあまり詳しくない方に向けて、当選後の政治家たちが公約を実現していく主な流れを分かりやすく解説します。

公約とは何か? 選挙でなぜ重要視されるのか

まず「公約」について改めて確認しましょう。公約とは、候補者や政党が選挙の際に有権者に対して掲げる、実現を目指す政策の約束のことです。マニフェストと呼ばれることもあります。

公約は、その候補者や政党が当選した場合にどのような政治を行うのかを示す重要な指針となります。有権者は、これらの公約を見て、誰に自分の暮らしや社会を託したいかを判断する材料とします。

当選後の政治家の主な活動

選挙で当選した政治家は、国会議員や地方議員、あるいは首長(内閣総理大臣、都道府県知事、市町村長など)として、それぞれの立場に応じた活動を行います。公約を実現するための活動は多岐にわたりますが、主なものとして以下のようなステップが考えられます。

1. 政策の具体化と法案・予算案の作成

当選した政治家や、彼らが属する政党、あるいは内閣や自治体の執行部は、選挙で掲げた公約を具体的な政策として実現するための計画を立てます。

新しい制度を作る、あるいは既存の制度を変える必要がある場合は、法律を改正したり、新しい法律を作ったりします。法律を作るためには「法案」を作成する必要があります。

また、政策を実行するためにはお金が必要です。必要な費用を見積もり、「予算案」を作成します。

2. 議会での審議と決定

作成された法案や予算案は、国会(衆議院と参議院)または地方議会(都道府県議会、市町村議会など)に提出され、「審議(しんぎ)」という話し合いが行われます。

議会では、提出された案が公約の実現に資するものか、問題点はないかなどを、賛成・反対様々な立場から話し合います。委員会での詳しい検討や、本会議での全体的な議論を経て、最終的に採決(さいけつ)が行われます。ここで過半数の賛成を得られれば、法案は法律として成立したり、予算案が承認されたりします。

政治家は、この議会での審議を通じて、自分の公約の実現を目指し、他の議員と議論したり、協力を求めたりします。

3. 行政機関による執行

議会で承認された予算や成立した法律に基づいて、内閣や自治体の執行部(都道府県庁や市町村役場など)といった「行政機関」が、実際の政策を実行に移します。

例えば、「〇〇に関する支援金を支給する」という公約が予算として認められれば、担当の省庁や部署が申請方法を決めたり、実際に支援金を届けたりする業務を行います。「罰則を伴う新しいルール」という公約が法律として成立すれば、その法律を周知し、守られているかを監視する役割を担います。

当選した政治家、特に首長は、行政機関を指揮・監督することで、公約の具体的な実行を推進します。議員は、行政の活動が適切に行われているかチェックする役割(監視機能)も果たします。

公約実現の難しさ

このように、公約が実現するまでには、「政策の具体化」「議会での決定」「行政による執行」といった複数のステップが必要です。しかし、全ての公約がそのまま実現できるわけではありません。

まとめ:公約の行方を追うことも政治参加の一つ

選挙であなたが投票した候補者や政党が掲げた公約が、当選後にどのようなプロセスを経て、どこまで実現されているかを知ることは、政治をより身近に感じるための一歩です。

政治家が公約実現のために議会でどんな議論をしているのか、どのような法案や予算案が提案されているのかといった情報は、国会や地方議会のホームページ、報道などを通じて確認することができます。

投票することはもちろん大切ですが、投票した後も政治の動きに関心を持ち、公約の行方を見守ることも、私たちの暮らしと政治をつなぐ大切な政治参加の形と言えるでしょう。

もし、公約の実現状況や政治の動きについてさらに詳しく知りたい場合は、選挙管理委員会や信頼できる報道機関の情報、あるいは議員の公式サイトなどを参考にされることをお勧めします。